About

ひとびとの経済政策研究会

  世界中に格差や貧困をもたらした新自由主義の緊縮路線と、それを多少マイルドにした中道路線に対して、「政府はひとびとの暮らしと雇用のためにもっとおカネを使え」と、世界中のひとびとが異議の声を突きつけています。特に、欧州左派では、中央銀行が作りだした緩和マネーを財源のひとつとする主張が、常識となりつつあります。この研究会では、こうした世界の潮流に学び、裁量的な国家介入体制から脱却して「基準政府」となる方向と、ひとびとの暮らしのために手厚く公金を使う「大きな政府」の方向とを、両立させる経済政策を目指します。そして、経済効果と費用を数字として示すことで、左派・リベラル派の野党勢力が、「戦争のできる国」へと暴走する安倍政権から、不況の再来を恐れる大衆の支持を奪回できるような経済政策を提言します。

共同代表者

まつおただす松尾匡(まつお・ただす)

 立命館大学経済学部教授。1964年石川県生まれ。博士(経済学)。専門は理論経済学。研究テーマは、景気循環論、経済政策論、ゲーム理論を用いた制度分析、非営利・協同ネットワークなど。神戸大学大学院経済学研究科修了後、久留米大学経済学部に勤務。2008年より立命館大学経済学部教授。近年では『不況は人災です!』(双書Zero、2010)、『この経済政策が民主主義を救う-』 (大月、2016)、など多数の一般書を執筆。「人民のための量的緩和」、ベーシックインカム、労働の最適配分といった人々のための経済政策を普及・実現するため当研究会を発足。
ぱく・すんじゅん朴勝俊(ぱく・すんじゅん)

 関西学院大学総合政策学部教授。博士(経済学)。専門は環境経済学、環境政策。神戸大学大学院経済学研究科修了後、2002年度から京都産業大学経済学部勤務。2010年度より関西学院大学総合政策学部准教授、2014年度より同教授。主著に『環境税制改革の「二重の配当」』(晃洋書房、2009)、『脱原発で地元経済は破綻しない』(高文研、2013)、その他論文等多数。
saigo西郷甲矢人(さいごう・はやと)

 長浜バイオ大学准教授。博士(理学)。専門は数理物理(非可換確率論)。代数学・組み合わせ論・確率論から自然科学における数理モデルの研究まで多岐にわたる。京都大学理学研究科博士課程修了後、プリンストン高等研究所(Interdisciplinary Studies, 2010-2011期)を経て現在に至る。松尾匡ゼミのアマルティア・セン研究会で数理モデルの解説を行っていた。

研究会所属メンバー

橋本貴彦(はしもと・たかひこ)
 立命館大学経済学部准教授。博士(経済学)。専門は産業連関分析による日米労働生産性の計測や労働の搾取の実証研究。立命館大学大学院経済学研究科修了後、島根大学で勤務。 その後、母校の立命館大学経済学部に赴任。 松尾匡との共著に『これからのマルクス経済学入門』(筑摩書房、2016)、その他論文多数。最近では、少子高齢化時代における総労働配分といった問題に取り組んでいる。
熊澤大輔(くまざわ・だいすけ)
 立命館大学、京都府立大学非常勤講師。博士(経済学)。専門は恐慌・景気循環論。数理モデルを用いた恐慌モデル批判や、 セイ法則に関する学史的研究。 立命館大学経済学研究科修了。当サイトの運営および経済政策の分かりやすい解説など担当。
小田巻友子(おだまき・ともこ)
 専門は少子高齢化時代における非営利・協同ネットワークの役割。スウェーデンの協同組合や社会保障に関する研究。財源の適切な配分方法の提案など担当。2017年4月から松山大学経済学部専任講師に就任して関西を離れたことにともない、正会員をはずれ、「共同研究者」として本会の活動を担っている。
菅原悠治(すがわら・ゆうじ)
 立命館大学経済学研究科博士課程在籍。専門は経済思想・経済哲学。松尾匡『自由のジレンマを解く』(PHP新書、2016)では、彼とのディスカッションが大きく寄与している。 当サイトのサポートやスケジュール管理担当。