コロナ以降、政府側シンクタンクや政府の諮問会議から、中小企業の「新陳代謝」を進め、「生産性」を高めるところだけを選択支援すべきだと大合唱が起こっています。典型例は、日本の生産性が低いのは小規模な企業が多すぎるからだとして、中小企業半減論を唱えるデービッド・アトキンソンさんの議論です。この人をブレーンとして仰いできた菅首相は、就任後、俄然こうした路線に乗り出して、そのための法律や税制の整備を始めています。
しかし、日本の中小企業ははたして本当に生産性が低いのでしょうか。単位労働あたりの付加価値が低いことは、規模が小さいせいで技術力が劣っていることの現れなのでしょうか。
名古屋工業大学の徳丸宜穂教授は、福祉とイノベーション創出を両立させる、新自由主義的でない道を求めて北欧(フィンランド)の実例を検証し、地域経済の中で技術や新製品や雇用を生み出す仕組みを、日本や東アジアの実例から分析してきました。
https://www.tokumarunorio.info/
この際、徳丸先生から、愛知県の中小製造企業の調査分析から得られた知見と、フィンランドの中小企業政策のお話をおうかがいし、菅・アトキンソン路線の当否を検討する手かがりとしたいと思います。
中小製造業企業の能力構築・競争力と価格競争——欧州・北欧イノベーション政策から考える中小企業政策への含意
お話 徳丸宜穂さん(名古屋工業大学)
日時 2021年3月31日(水) 14時から15時30分
受付締め切り当日正午
セミナーはズームを用いて行います。参加ご希望のかたは、検索できるように必ず表題に「PEPセミナー参加希望」と書いて、下記問い合わせ先メールアドレスにご通知ください。当日の開始およそ1時間前にZoomのURLをお送りします。
お問い合わせ: 松尾匡 matsuotadasu[at]gmail.com (atはアットマーク)