投稿者「economicpolicy」のアーカイブ

山本太郎×ひとびとの経済政策研究会presents 「全てのひとびとのための経済学講座」第3回

自由党の山本太郎議員とひとびとの経済政策研究会とのコラボで予定しております連続講座の第三回を下記のように開催します。今度は夕方からの時間帯になります。ご関心のあるかたは、リンク先の予約フォームより予約の上、ご参加下さい。

講師:山本太郎(参議院議員)、朴勝俊(関西学院大学教授)、松尾匡(立命館大学教授)、他
第3回 民主主義を救う経済政策とは何か? 経済政策の歴史と経済思想
日時:2017年9月16日、18:30~21:00  
場所:キャンパスプラザ京都(JR京都駅から徒歩5分、ビックカメラ前)、2階ホール
http://www.consortium.or.jp/about-cp-kyoto/access
参加費:600円(学生無料、定員90人・要予約。学生無料)

主催: ひとびとの経済政策研究会・e未来の会
予約フォーム: https://ssl.form-mailer.jp/fms/092a0538516036
当日連絡(朴勝俊): 090-1149-4945

全てのひとびとのための経済学講座第3回

<経済政策提言レポート> 普通のひとびとが豊かになる景気拡大政策——安倍自民党に野党が勝つために

民進党の代表選挙が行われる機会に合わせて、安倍自民党と対決する野党のみなさんに、ぜひ採用していただきたい経済政策をまとめました。
本会共同代表松尾匡(立命館大学経済学部教授)が、著書『この経済政策が民主主義を救う』(大月書店)やその後の講演で述べてきたことを中心に、本会での共同研究の成果をまとめたものです。

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内容要約

安倍自民党は、個々の政策にはいつも反対の世論が多いのに支持率が下がらない。有権者の関心のトップは常に福祉と景気にある。しかるに生活実感調査では、民主党時代に比べて安倍時代に改善が実感されている。長期不況で日本は貧困が蔓延して多くの人々が深刻に苦しんできたことが確認できるが、多くの客観データから、たしかに、民主党時代よりも安倍時代は事態が多少改善していることが確認できる。うまくいかない点は2014年の消費税増税の影響と有権者に容易に認識できるものが多く、自民党だけへの批判につながりにくい。

景気足踏みの主因は政府支出の抑制にあった。安倍首相もわかっているのか、総選挙で起死回生の大圧勝を狙って手を打ってきている。目下景気諸指標は順調で、それが狙い通りになる可能性は高い。野党はそれを想定した備えをしないと勝てない。

野党が勝つためには、自民党を上回る景気拡大政策を示す必要がある。これまでの野党の敗北の原因は経済や財政の縮小イメージにある。プライマリーバランス黒字化は至上命題ではない。財務省系や脱成長系の人々の助言を鵜呑みにしてはならない。

欧米においては、英国労働党のコービンや米国民主党のサンダースをはじめ、左派・リベラル派の経済政策はこぞって「反緊縮」である。数多くのケースで、彼らの政策は、中央銀行が国債を買い入れる金融緩和で作った資金で政府支出を増加させ、景気拡大をはかるとともに、企業・富裕層への課税や、介護・教育・医療・子育て等への支出によって人々の暮らしを支え、格差をなくすことを目指す。欧米では、左派系の各種の非主流派だけでなく、主流派のメジャー学術雑誌に論文が載る多くの優秀な経済学者が、こうした財政金融合わせ技政策を提唱している。

こうした政策が財政的にみて「不健全」ということはない。中央銀行を政府の子会社ととらえる「統合政府」の考え方をとれば、中央銀行が買い取った国債は、民間や海外に対する借金ではないのでこの世から消えたのと同じである。もちろんこうした政策にも歯止めが必要である。「インフレ目標」は、この歯止めとして位置付けなおすべきである。

このレポートでは、以上のような議論をふまえ、四点の経済政策提言を行う。

※ 図表番号のミスを修正。(2017年8月26日)

※ 32ページ目最後の2行のアイスランドについての記述を削除しました。詳しくは、本ブログ11月8日投稿のエントリーをご覧ください。(2017年12月1日)

※ 以前の修正で4ページに白紙の一ページが入ってしまったのを直しました。また、34ページの “A Modest Proposal” の訳を「最も穏健な提案」としていたのは、もちろん誤りですので、「穏健な提案」に修正しました。読者のみなさんにも、本レポートの一部を収録いただいた『消費者法ニュース』の関係者のみなさんにもおわびいたします。(2018年3月2日)

<翻訳>英国労働党2017年マニフェスト付属資料「英国の未来の資金調達」

英国労働党2017年マニフェスト付属資料「英国の未来の資金調達」(2017年7月30日ver.1投稿、訳:朴勝俊・松尾匡)

今年6月のイギリスの総選挙では、当初保守党が圧勝と思われていましたが、労働党が猛追し、保守党を過半数割れに追い込む結果になりました。これは、労働党の反緊縮政策を掲げたマニフェストが支持を受けたためだと言われています。

この労働党のマニフェスト「少数者ではなくて多数者のために」には、いつくかの付属資料がついていますが、このうちの一つ「英国の未来の資金調達」は、マニフェストに掲げた支出をまかなう財源を示したものです。経常的な支出増は、教育や医療・福祉などで486億ポンド掲げ、法人税増税や高額所得への課税などで同額の財源をつけています。他方、ストックに対するインフラ投資については、低金利を利用して「国家変革基金」を作り、今後10年間にわたり2500億ポンドを、鉄道建設や再生可能電源建設などに投資するとしています。

これは、今後日本での対抗政策立案のために参考になると思いましたので、急ぎ翻訳しました。イギリスの社会政策の制度などの知識がないとわからない言葉や言い回しが頻出しますので、まだまだ不完全です。改訂版が後続していくことを望みます。

山本太郎×ひとびとの経済政策研究会presents 「全てのひとびとのための経済学講座」第2回 ご質問への回答

自由党の山本太郎議員とのコラボ連続講座、7月8日に行われました第2回で、ご来場のみなさんからいただきましたご質問への回答を作成しました。たくさんのご質問をお寄せいただきまして、ありがとうございます。下記よりダウンロードしてください。

TaroKouen20170708Q&A

松尾匡vs井上智洋/対談企画 ”「ひとびと」のための経済、そしてベーシックインカム”

『ヘリコプターマネー』の著書で有名で、人工知能問題についてもたびたび言論活動を行なっておられる、今大注目の新進気鋭の経済学者、井上智洋駒沢大学准教授と、私、本会共同代表松尾匡のトーク企画を、下記のとおりおおくります。井上さんに、日銀緩和マネーとベーシックインカム、信用創造制度超克の関係について、じっくりお尋ねして、ご来場のみなさんといっしょに勉強したいと思っています。ぜひご来場ください。

「ひとびと」のための経済、そしてベーシックインカム

日本に蔓延するデフレマインドを鮮やかに払しょくするべく、
反緊縮松尾とヘリコプター井上がタッグを組んだスペシャル対談企画。
停滞から脱却し、誰もが等しく経済成長の恩恵を享受し、自由で楽しい社会を
実現するための経済政策を二人が徹底的に語り尽くします。

プログラム
①今後、景気はよくなっていくのか?
②起こりつつある「人手不足」と人工知能による「雇用崩壊」
③ブラック企業のなくし方
④経済政策はなぜ重要なのか?
⑤日本の借金が危ない!は本当か?
⑥財源の作り方、教えます(マネークリエーションとヘリコプターマネー)
⑦ベーシックインカムは何を変えるか?
会場とのディスカッション

共催
ひとびとの経済政策研究会
ベーシックインカム勉強会関西
市民社会フォーラム

2017年8月27日(日)(13:15受付)13:45 -17:00

関西学院大学大阪梅田キャンパス
◆K.G.ハブスクエア大阪◆【利用教室】1004(10階・定員99名/先着順
◆大阪市北区茶屋町19-19アプローズタワー◆TEL 06-6485-5611
http://www.kwansei.ac.jp/kg_hub/access/index.html

対談企画問い合わせ:bikansai00[アットマーク]gmail.com

チラシ bi-leaflet-ver2-03

山本太郎×ひとびとの経済政策研究会presents 「全てのひとびとのための経済学講座」第2回レジュメ

ご好評をいただいております、自由党の山本太郎議員とひとびとの経済政策研究会とのコラボ連続講座、7月8日に行われました第2回も、スタッフを含め100名を超える参加をいただきまして、盛況のうちに終わることができました。ご来場いただいたみなさんにも、山本太郎さんにも感謝もうしあげます。

当日のメインの講座のレジュメとお勧め文献リストをアップしましたので、ご関心のありますかたは下記よりダウンロードしてください。
(※ レジュメの経常収支と金融収支の表の数値の単位が「10億円」となっていましたが、「億円」の間違いでしたので訂正しました。すみませんでした。ご指摘くださったNさんに感謝します。8/15)

TaroKouzaResume02

TaroKouzaBunken

インフレ上限までの政府支出拡大の余地の概算(完成版)

4月26日公開、5月12日一時撤回した概算レポートですが、ようやく完成したので公開します。

民間から購買力を吸収することなく政府支出を増加させる余地がどれだけあるかを、エクセルでざっと概算してみたものです。結局ケースによって幅が大きい結論になりましたが、何かおかしいところがないかご検討下さい。もっと精緻な計算をして下さる人が出ることを期待します。

(なお、使用データの出所は、参考文献リストでは省略していますが、本文中に記してあるか、総務省統計局の「労働力調査」「消費者物価指数」、内閣府のGDP速報によります。)

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山本太郎×ひとびとの経済政策研究会presents 「全てのひとびとのための経済学講座」第1回レジュメ

5月27日に行われた自由党の山本太郎議員とひとびとの経済政策研究会とのコラボ連続講座の第一回は、盛況のうちに終わりました。ご来場いただいたみなさんにも、山本太郎さんにも感謝もうしあげます。会場の容量が十分ではなく、予約のご連絡をいただいた多くの方にご遠慮いただく事態になりましたことをおわびいたします。

当日のメインの講座のレジュメをアップしましたので、ご関心のありますかたは下記よりダウンロードしてください。
TaroKouzaResume01

山本太郎×ひとびとの経済政策研究会presents 「全てのひとびとのための経済学講座」第2回

自由党の山本太郎議員とひとびとの経済政策研究会とのコラボで予定しております連続講座の第二回を下記のように開催します。ご関心のあるかたは、リンク先の予約フォームより予約の上、ご参加下さい。

講師:山本太郎(参議院議員)、朴勝俊(関西学院大学教授)、松尾匡(立命館大学教授)、他
第2回 通貨の歴史と貿易
日時:2017年7月8日、13:30~16:30 
場所:京都テルサ(JR京都駅から約15分)、B・C会議室
   会場代表 075-692-3400, http://www.kyoto-terrsa.or.jp
参加費:500円(定員120人、要予約、学生無料)

主催: ひとびとの経済政策研究会・e未来の会
予約フォーム: https://ssl.form-mailer.jp/fms/092a0538516036
当日連絡(朴勝俊): 090-1149-4945

全てのひとびとのための経済学講座第2回

<翻訳>ブライアン・ロマンチャック「中央政府と中央銀行の会計を連結することは可能か?」

ブライアン・ロマンチャック「中央政府と中央銀行の会計を連結することは可能か?」(2017年6月5日、2019年3月12日修正、訳:朴勝俊)

日本では「統合政府」という訳語でも呼ばれる、政府と中央銀行のconsolidationとは、もともと親会社と子会社の「連結」を表す会計学上の言葉です。政府と中央銀行を連結して会計を作ると、両者の間の貸し借りは、相殺されて消えます。日本ではこのことについて扱っている教科書類は、浅田統一郎さんの『マクロ経済学基礎講義 <第3版>』ぐらいだと思いますが、欧米ではかなり議論が進んでいると思います。その中でも、これについて一からていねいかつ簡潔に説明した文章を見つけたので、ここに翻訳しておきます。

(2019年3月12日) 著者の属するMMT(現代貨幣理論学派)が着目を集め出していますので、訳文を再検討し、修正しました。