経済学会セミナーのお知らせ「アイスランド金融危機——政治的対応とその後の政治変動」

立命館大学経済学会では、神戸大学大学院国際協力研究科博士課程の塩田潤さんをお迎えして、アイスランドの金融危機に対する現地の人々の政治的対応についてお話しいただきます。

アイスランドは、北太平洋の北極海近くに浮かぶ、人口30万人余の小さな島国ですが、リーマンショック前は、世界中から資金が集まる金融立国で、経済活況にわいていました。それが2008年のリーマンショックで一気に破綻します。

ところがアイスランドは、IMFが救済の見返りに押し付けようとした緊縮策を拒否、かえって社会保障を拡大しました(これは日本でよく信じられている誤解でした。詳しくは11月8日の投稿記事をご覧ください——11月8日追記)。その結果、通貨が暴落したおかげもあって、輸出や観光業が伸びて経済がめざましく回復、今日に至るまで好調な経済を維持しています。それは、IMFの緊縮策を受け入れて、経済が崩壊し、おびただしい失業者を生んだギリシャと好対照をなしています。

このセミナーでは、アイスランド政治がご専門の塩田さんに、この金融危機のときに、どのような政治的対応がなされたのかをお伺いしたいと思います。また、塩田さんは、この夏にもアイスランドで調査をなさっていたので、最新の現地の経済・政治の状況がどのようなものかも、お伺いできると思います。

私たちが知りたいことを突っ込んでお尋ねしたいということが主旨ですが、どなたでもご参加いただけます。

日時:11月7日(火)18:30~20:30

場所:キャンパスプラザ京都6階 第1講習室

テーマ:アイスランド金融危機―政治的対応とその後の政治変動

報告者:塩田 潤氏(神戸大学大学院国際協力研究科博士課程)

(松尾 匡)