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インフレ上限までの政府支出拡大の余地の概算(完成版)

4月26日公開、5月12日一時撤回した概算レポートですが、ようやく完成したので公開します。

民間から購買力を吸収することなく政府支出を増加させる余地がどれだけあるかを、エクセルでざっと概算してみたものです。結局ケースによって幅が大きい結論になりましたが、何かおかしいところがないかご検討下さい。もっと精緻な計算をして下さる人が出ることを期待します。

(なお、使用データの出所は、参考文献リストでは省略していますが、本文中に記してあるか、総務省統計局の「労働力調査」「消費者物価指数」、内閣府のGDP速報によります。)

GDPgapSuikeiKansei

<翻訳>ブライアン・ロマンチャック「中央政府と中央銀行の会計を連結することは可能か?」

ブライアン・ロマンチャック「中央政府と中央銀行の会計を連結することは可能か?」(2017年6月5日、2019年3月12日修正、訳:朴勝俊)

日本では「統合政府」という訳語でも呼ばれる、政府と中央銀行のconsolidationとは、もともと親会社と子会社の「連結」を表す会計学上の言葉です。政府と中央銀行を連結して会計を作ると、両者の間の貸し借りは、相殺されて消えます。日本ではこのことについて扱っている教科書類は、浅田統一郎さんの『マクロ経済学基礎講義 <第3版>』ぐらいだと思いますが、欧米ではかなり議論が進んでいると思います。その中でも、これについて一からていねいかつ簡潔に説明した文章を見つけたので、ここに翻訳しておきます。

(2019年3月12日) 著者の属するMMT(現代貨幣理論学派)が着目を集め出していますので、訳文を再検討し、修正しました。

<翻訳>E.ロナーガン&S.ジョーダン「ひとびとの貨幣配当」

エリック・ロナーガン&スタン・ジョーダン「ひとびとの貨幣配当」 (2016年12月1日、訳:朴 勝俊)

「貨幣配当を家計に配分する方が、量的緩和やマイナス利子率よりも効果的である。欧州中央銀行(ECB)が合法的に独立性を保ちつつ、この政策を導入しうる方法について論じる。欧州議会はECBがこの方向性に進むよう、賛同の意思を表明すべきだ(一部抜粋)。」
(2016年12月14日投稿。同12月15日修正版投稿)

 

004 ポール・クルーグマン「日本の問題を再考する」(Rethinking Japan)解説

松尾匡による、ポール・クルーグマン”Rethinking Japan”(本サイト「レポート」所収の朴勝俊訳「日本の問題を再考する」)についての解説文。本研究会メンバーによる検討、特に、朴勝俊と熊澤大輔の作成協力を得て完成されている。
追伸:クルーグマンの元モデルの正確な期間構造をふまえた補足説明を脚注でしておきました。注4と注6(旧注5)を修正し、新注5を追加しています。本質的な修正ではありません。2017年4月2日

Economic Policy Report 004 v2

<翻訳>ポール・クルーグマン「Rethinking Japan」

ポール・クルーグマンの「Rethinking Japan」(2015年10月20日、訳:朴 勝俊)

「・・・日本はインフレ目標を何%に設定すべきだろうか。その答えは、インフレ目標は充分に高くすることだ。つまり、財政再建の際に、生産能力のフル稼働を維持できるほど実質利子率を引き下げることができるくらい、充分にインフレ目標を高くすることだ。だとすれば、それが2%で十分だとはとうてい思えない(一部抜粋)。」

<翻訳>オスカ・ラフォンテーヌらの破滅寸前のヨーロッパ

オスカー・ラフォンテーヌらの破滅寸前のヨーロッパ(2016年4月4日、訳:長谷川 羽衣子)

「欧州中央銀行は新しいバブルを作り出す代わりに、投資に資金を提供するか、低所得世帯への所得移転を行うことによって、実態経済を刺激すべきである(一部抜粋)。」

<翻訳>欧州左派連合の緊縮財政反対計画

緊縮政策と金融市場主権に反対する行動計画のために(2016年1月22日、訳:朴 勝俊)

「・・・この緊縮政策と金融市場主権に反対する行動計画は、各国内および欧州レベルの議論の基礎であり、また大多数の政治的・社会的・市民的な勢力や労働組合を、新しいヨーロッパのための共通の戦いに結集させ、強化させるための取り組みの工程表であると考えている(一部抜粋)。」